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オピニオンのブログ

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マスタードの追憶 丸田芳介

公開日:2016-08-05 11:53:58

 お土産に貰ったジャックダニエルのマスタードを使って、ぼくは今何を食べようか考えている。容器に貼られたウイスキーと同じラベルを別にすれば、特別珍しくないマスタードは、如何にもアメリカ人が好みそうな酸味が強い、オーソドックスなものだ。
 このマスタードを使って何を食べようか思案しているうちに、ぼくは十代の頃によく通った関内のホットドッグスタンドを思い出した。
 平成元年に閉店するまで横浜では良く知られた店だから、馬車道交差点にあった「珈琲屋」を覚えている人は多いのではないだろうか。
 舟の浮き輪が看板代わりのあの店だ。お店のカウンターに座って食べた記憶はあるのだが、スタンドと呼んでいたから立ち食いだったかも知れない。
 オーダーサイズはフットロングとハーフがあり、フットロングとはフルサイズの事で、アメリカンサイズで十二インチあったから、約三十センチのソーセージを同じく約三十センチの細長いパンを挟んで、中に細かく刻んだ玉葱やピクルスがマスタードで味付けされていた。
 フットロングを二つに分けて頬張ったとき、酸味の効いたマスタードによってソーセージの肉と玉葱とピクルスが引き起こす味の科学反応は、家庭では決して味わうことの出来ない美味しさだった。十四歳のぼくは、大袈裟でも何でもなく感動したのである。
 ホットドッグの他に、フレッシュジュースも忘れがたい。此処では注文毎にオレンジを一個、丸ごと絞ってくれた。
 ぼくは当時食べた素材の食感や味を追憶しながら、店のカウンターのストゥールに凭れたとき、一緒に食べに食べに入った彼女のスカート丈が膝上十五センチだったせいで、思わず目を逸らしたことに気付いた。逸らした視界にオレンジが丸ごと絞られている。フレッシュジュースの味付けは氷だけだ。
 あの夏の日、ぼくらは親にも友達にも内緒にして映画を観に関内まで来た。映画の開始時間を確認しないまま、ぼくらが映画館に着いたときには既に上映が始まっていたので、その間何か食べようと珈琲屋に入ったのだった。
 結局、ぼくらは映画を観ないで一日他愛ないお喋りをしていたが、この日を最後に話しをすることは無かった。もう一度、映画を観る計画や一緒に食べた珈琲屋の話しをする機会を伺いながら立ち消えてしまった。話しをしたのは、それから一年経った秋、高校に進学してからだ。その時、文化祭で屋台のホットドッグスタンドを出す話しを聞いたが、フットロングの話しには触れなかった。
 ぼくは今、レシピをなぞりながら、あの日の事がマスタードの中にあったのを知った。

 グリスフィルターのオピニオン 丸田芳介

チャントーヤココナッツカリー 御茶ノ水 丸田 芳介

公開日:2016-07-22 13:10:51

 トゥーヤさんに勧められたチャントーヤココナッツカリーは名前のとおりココナッツミルクがたっぷり入っていて、タイカレーをベースにしながら、イエローカレーの所為か、懐かしい風味を出している。この味は、前に食べたことがある。全く同じとは断定出来ないが、ぼくは、昔、食べたグアムのカレーを思い出していた。
 グアムは今、カレーブームといわれているが、元々島の食文化にカレーは無い。あの当時、日本人もしくは観光客向けにホテルが提供していたのは島の外から来た外国人シェフが作ったものに違いない。グアムはいろんな国の文化が融合している。島の海域はマリワナ諸島の南端にあって、マレーシアやインドネシア、フィリピンからの移住で歴史が始まるので、アジアからカレーが伝われていても何ら不思議なことでは無い筈だ。厳密にいえば日本人の我々が食べるとどれもカレーだと思えるものがアジアには沢山ある。
 そして例に洩れず、初めは厨房のまかない食として作られたのではないだろうか。大抵、こうしたメニューは料理人たちが祖国で食べていたローカルフードが基になっている。

 1985年の9月だから、もう30年以上も前、グアムに渡航したことがあった。当時のグアムは、今のような景観と違い、ショッピングモールが並ぶ、洗練されたリゾートでは無かった。誰もが手軽に行けるアメリカの島であるのは現在も変わらないが、グアムは、ぼくの中で基地のある島という印象だけが強く残っている。
 ぼくとジュン、ジュンの友達のミカ、ミカの彼氏のヒロミと四人で、旅行らしい計画も立てず、思いつき渡航した。もしかしたら、ぼく以外の三人は綿密に計画を立てていたかも知れないが、今では解らない。
 ぼくが覚えているのは、滞在している間、殆どホテルのプールで過ごしていたことだ。朝、目が覚めるとプールで泳ぎ、フリーマーケットや市場をぶらついて、朝食を食べ、一度、ホテルに戻ると、ジュンが荷物の整理や着替えをしている間、ぼくはプールで泳いだ。そして、昼食はプールサイドでカレーを食べた。
 朝の時間はCLOSEしていたプールのある内庭のレストラン、バーが午後には開く。カレー以外のメニューは、よく覚えていない。
 一日の予定はジュンとミカに任せていたので、その日、ジュンとミカがテニスコートを借りたと聞いて、二人がテニスに興じている間、ぼくはヒロミと原付バイクを借りて、島を探索に出掛けた。
 島の路は、よく整備されていたが、道路の舗装に貝を砕いたものを混ぜているせいで、スコールが起こると路面が滑った。
 島にただ一つある映画館まで走り、観光客が訪れないような簡易食堂のある雑貨店やバーを見つけて覗く。ヒロミがミカの喜びそうなペンダントやネックレスを物色しているのを余所見に、ぼくはドッグフードを買った。
 滞在しているホテル周辺やプールサイドには、犬の群れが絶えず集まってくる。飼い主の無い犬の群れは人に危害を加える訳では無いが、どの犬も酷く痩せていた。
 ホテルに帰るとジュンは横になっていて、少し休んでから夕方、ポリネシアンショウを観て、お上りさんしたいと言った。ジュンはドッグフードの箱を見て、ミクへの土産と思ったようだ。ミクは当時、飼っていた愛犬である。
 グアムに来て、観光らしい観光はしていない。ジュンが行きたいと言った店はグアムでも有名なダンスショウを興じていて、ファイヤーパフォーマンスは一見の価値があるらしい。
 ホテルの中庭で、ドッグフードのプールへの持ち込みは禁止だと止められた。ホテルやプールに犬がやってくるのは、観光客が与える餌のせいだと言うのだ。ホテルのマネージャーは困ったように大きく手を振った。
 ぼくはドッグフードの箱をタオルで包むとベンチに置いて、プールに飛び込んだ。

 グアムに着いた初日、ぼくらは海に泳ぎに行った。正確にいうと深夜、島に到着したので、朝まで待ってビーチに出掛けた。ビーチは観光客用に人工的に防壁で囲まれていて、腰までの浅瀬がどこまでも続いていた。観光客が来るシーズンは過ぎていたので、ビーチは閑散として、海底はナマコだらけだった。グアムでは、ナマコを食べる習慣は無いので、大きく成長したナマコは蛇のように蜷局を巻いていた。裸足で入ると気持ち悪いので、サンダルのまま海に入った。一度、ナマコを捕まえようとしたが、簡単に捕えることは出来なかった。ビーチの内陸にブルトーザーが停めれていたのは、シーズンオフにビーチのナマコをすくって除去する為のものだと聞いた。除去したナマコは、まとめて捨てられ焼却されるらしい。
 ナマコを避けながら、浅瀬に長い時間居た所為でジュンは酷く日焼けした。腕と背中、お腹が火傷で赤く腫れ上がっている。夜は夜で熱を持ち、海水に浸かることが出来ない。少しでも身体を冷やしたくて、翌日からプールで過ごした。

 ぼくは水に浮かんで、頭上に飛ぶヘリを眺めた。ベル・エアクラフト社が開発したUH-1機は、一日中、空を旋回していた。
 UH-1はベトナム戦争で主力ヘリコプターとして使用されたもので、世界初の攻撃ヘリは現在も、我が国では改良型が運用されている。
 ぼくは、このUH-1を頭上に見ながら、此処が基地のある島であることを認識した。横浜にも米軍基地はあったが、日常、空にUH-1を見ることは無い。
 ジュンの声が、ぼくを呼んでいる。まだ、夕方まで時間はある筈だ。ミカとヒロミの声が聞こえたとき、今朝、モーニングを食べながら、ミカとヒロミから銃を撃ちに行こうと、誘われたのを思い出した。グアムでは、観光客用に本物の銃を撃つ射撃場がある。時間とお金を持て余した観光客がもの珍しげに射撃場に行くのだ。ぼくは、行くなら三人で行ってきなよと応えた。その間、プールサイドにやってくる犬にドッグフードを食べさせてやろうと思ったからだ。ジュンは面白がるだろうが、ミカとヒロミは止めるに違いない。ホテルのマネージャーにバレてしまえば事は面倒だ。
 ぼくはプールに上がるとベンチに置いたドッグフードの箱を開けた。中身を手のひらに載せて、犬の群れに向かって差し出した。痩せた犬たちは近寄ろうとしない。犬は土地に馴れず、人に馴れるというが、此処の犬たちは餌付されているようには見えなかった。ワゴンに載ったカレーの匂いに惹きつけられるのだろうか。ココナッツミルクの匂いはきっと、祖国の記憶を想い起こさせるのかも知れない。
 ジュンの声が、ぼくを呼んだので振り返った。太陽を遮るUH-1の影が、瞼の裏に残像が残ってチカチカする。空を旋回するUH-1の音が少し大きくなった。ジュンの呼ぶ声がヘリの音に消されてよく聞こえない。

 CHANTOYA COCONUT CYRRY チャントーヤココナッツカリー

 Hours Monday-Friday 11:00-22:00(L.O.21:30)
 Saturday,Sunday&Holiday 11:00-21:00(L.O.20:30)

 Cell phone 03-5281-4747 +81-3-5281-4747

 shouryu-kan BLD.1F
 3-28-7Kanda Ogawa-cho,Chiyoda-ku,Tokyo,Japan

 Access JR line Ochanomizu station 7-minute walk Tokyo-metoro Shin‐Ochanomizu station B3-exit 5-minute walk

 http://www.chantoya.com

  写真は、(手前)チャントーヤココナッツカリーと、(奥)ほうれん草とトマトのチーズカリーです。
  タイカリーをベースにしながらも、イエローカリーとココナッツミルクの融合が懐かしくもあり新し
  い風味を出しています。また様々な具材のトッピングを選ぶことで、本来のスープカリーの醍醐
  味を楽しめますよ。 是非とも、チャレンジして下さい。

 グリスフィルターのオピニオン 丸田 芳介

高温多湿の季節・・・保管方法には注意が必要

公開日:2016-07-05 18:46:17

実家に行った時の出来事。
久しぶりにスニーカーを履いて外に出たのですが、歩き出した途端に靴底がミシミシと鳴り出し、足に異変を感じました。
数分後にはパカパカッという音になり、靴を見ると靴底が完全に取れていました。
新しいスニーカーで、数回しか履いていないのに何故!? 
調べて判ったのですが、これは加水分解という現象で、水分に弱いウレタンゴムの靴底が壊れてしまった現象でした。
日本は世界から見ても加水分解の被害が多いらしく、その理由は日本の気候”高温多湿”に大きな要因があるらしいです。
雨に濡れた場合はとくにですが、履いた後は靴に新聞紙を入れて湿気を取り除いてから下駄箱に入れ、定期的に下駄箱を換気をして乾燥をさせた方が良いようです。
また、棚板と靴の間に金アミやスノコ状のものを入れて間を作り、通気性を良くする工夫をすると良いようです。
梅雨が明けるまではとくに湿気が高いこの季節・・・下駄箱以外の収納場所を確認する週末となりました。

グリスフィルターのオピニオン 投稿:松本 貴行

パリの大衆食堂

公開日:2016-06-21 20:44:18

雨続きの週でしたが、晴れる日を狙って「パリのワイン食堂」に行きました。
このお店は地下鉄東銀座駅の3番出口から歩いて3分程、歌舞伎座の裏にあります。
ランチ営業11:30のオープン前を狙って一番乗りのつもりで到着したのですが、既に5組くらいのお客様が並んでいました。店内がフルオープンで、赤色チェック柄のテーブルクロスに誘われます。
案内してくれた席は、テラス席。外が眺められるので、良いですよと勧めてくれました。今日はひとりでしたので、ありがたかったです。
座るや否や各テーブルから注文が入り、店内はパリ音楽が掛かりました。本場フランスの大衆食堂の雰囲気そのまま、一気にお店が動き出した感じです。
注文は、最初に目に入った日替わりランチ1,000円。いかんせ後から座ったお客様が続々と手を挙げて注文をしているので、迷っている暇ナシという感じで焦りました。
今日の日替わりは仔羊ローストランチで、メインにライスかパンをチョイスしてコーヒーが付きます。プラス300円で生ハムサラダをお願いしました。
やっと落ち着いて目線を店内に向けると、既に満席。12時前でしたので驚きました。活気があるお店の料理を待つのはワクワクします。
リズムの良い音楽とスタッフの波長がピッタリ。テンポ良く料理がテーブルに運ばれてきました。
よくローストされているので、お肉は柔らか。羊のお肉独特の匂いも程よい感じに抑えられていました。
自分が食べている間にも続々とお客様が来店。テラス席から銀座の昼時の街並みを眺めつつ、今日はサッと入ってサクッと食べて、パッとお店を後にして入店から35分で出てきました。
次は、ワイン片手にディナープリフィックスコース。。という夜に行く楽しみができました。


【店名】パリのワイン食堂
【住所】中央区銀座3-13-11 銀座芦澤ビル1F
【電話】03-3547-4120 

【HP】https://auxamis.com/wine-shokudo 




グリスフィルターのオピニオン 投稿:松本 貴行 

オピニオンのつぶやき

公開日:2016-06-06 12:09:57

■ 小学一年生の姪っ子を見習って

花屋、ケーキ屋、スチュワーデス、モデル、先生、保育士・・・

今年小学1年生になった秋田に住んでいる妹の子供、姪っ子とは定期的に
テレビ電話をします。

結構な頻度で将来なりたいものが変わるんです。
話を聞いているときは、「そうなんだ~」という感じなんですが、
ふと思ったら、凄いことだなと。

自分が幼稚園を卒業するときに書いたという文集を5年位前に母親から
見せられました。そこに書いてあったのは将来なりたいもの「サッカー選手」。
あれ?!サッカーなんて全く興味がなかったし、、
きっと周りに流されてたんじゃないかなと今では思います。

姪っ子が凄いのは色々なことに興味を持ち、それを将来の目標として語れる
ことです。また、目標が変わるということは、両親がそれだけ色々なものを
見せているということだと思うのでそれはまた凄いことだと思いました。


一つのことに専念することはとても大切だと思います。
しかしながら、姪っ子のような時期には色々なものを見たり、体験させたり、
疑問を持たせたりすることはもっと大切だと自分は思います。

30半ばの自分でも遅くないはず!
姪っ子を見習って、色々なものに興味を持っていこうと思った。
そんなある日のつぶやきでした。


グリスフィルターのオピニオン 投稿:千葉

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